Premiereの使い方マニュアル ver.4.1 🐤 基本編
はじめに
マニュアルについて
- 本マニュアルではAdobe Premiere Pro CCに準拠します。
- キャプチャ画像はCCによるものです。
- 本マニュアルの各項目を上から下へ辿りながら作業すると効率的です。
Premiereの機能
- 映像作品を編集できます(AVCHD、スタジオで撮影した映像)。
- 音楽や写真を入れることができます。
-
ビデオに文字(字幕)を表示させることができます。
-
動画ファイル(MPEG4など)をお好みの形式で保存することができます(正確にはAdobe Media Encoderの機能です)。これを 書き出しと言います。
-
※時々アップデートされます。下のURLから新機能を確認してください。
編集機室でのルール
- 「環境設定」を変更してはいけません。
- 素材として使用可能な写真や音楽を使う場合は、自分のフォルダにコピーしてください。その際は自分のフォルダの中に「素材」などの名前を付けたフォルダを作り、そこに入れることを推奨します。
- 他人のファイルを消したり、編集したりしてはいけません。
- フォルダ名、Premiereのプロジェクト名には命名規則(ルール)があります。本マニュアルできちんと説明してますので従ってください。
マニュアル内で用いられる用語にについて
- 素材
- シーケンスに配置されていない、プロジェクトパネルの一覧にある動画・静止画・音楽の総称
- シーク
- タイムヘッダーを左右にドラッグし、目標の位置まで移動させること
電源投入から編集を開始するまでの流れ
電源を入れる
- 本体の電源ボタンを押します。iMacの電源ボタンはディスプレイの裏側にあります。
- 左右のスピーカーのスイッチを入れます。ボタンはスピーカーの裏側にあります。
-
「デーン」と起動音が鳴り、ログイン画面(アイコンと「担当教員名+数字」)が表示されるまで待ちます。
※ログインは講義の担当教員から伝えられたアカウントを選択します。
講義以外で使用する場合は「admin」以外を選択し、外付けHDなどを各自で用意して素材ファイルを保存してください。
作業フォルダの準備
-
デスクトップ上のネットワークドライブ(例:goto1)を開きます。
-
講義フォルダを開きます。
-
その場所で自分のフォルダを作成してください。そのフォルダを自分のフォルダとして編集に使ってください。
ファイル名は「年度_名前」としてください。例:2014_Sato
-
作品が出来上がった時にフォルダの中が次のようになるようにすると作業しやすいと思います。
・「素材」フォルダ … 撮影した映像、BGMなどの置き場所
※素材が多くなった場合は「素材」フォルダの中でさらに「撮影」「BGM」フォルダを作成するといいでしょう。
・Premiereプロジェクトファイル
・書き出した動画ファイル
Premiereを起動する
初回の場合(プロジェクトファイルをまだ作成していない場合)
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画面下のドックからアイコン「Adobe Premiere Pro」をクリックします。
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Premiereが起動します
-
最初に出るウィンドウで「新規プロジェクト」を選択します。(複数人で同時編集を行う場合はチームプロジェクトを選択してください。ただしCreative Cloudでのみ使用できます。)
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「参照」ボタンをクリックし、「ネットワークドライブ(例:goto1)」→「講義フォルダ(2014_medai_tarou)」を選択します。
-
「名前」でプロジェクト名を付けられます。これがファイル名になります(拡張子はprproj)。
プロジェクト名は次のルールで付けます
プロジェクト名
(例:JobInterview)
(注:半角/全角切り替えは⌘+スペース
または「英数」「かな」キー
) -
「一般」タブの「レンダラー」で「Mercury Playback Engine - GPU高速処理 (CUDA)」が選択されていることを確認します。
前回の続きを行う場合
-
デスクトップ上のネットワークドライブ(例:goto1)を開きます。
-
講義フォルダを開きます。
-
講義フォルダ内のプロジェクトファイル(prprojファイル)をダブルクリックます。
編集を終了し電源を切るまでの流れ
Premiereを終了する
メニューバー→「Premiere Pro」→「Premiere Pro を終了」を選択する
⌘ + q
。
電源を切る
メニューバー → 「アップルマーク」 → 「システム終了」
Premiereの基本操作
保存
メニューバー→「ファイル」→「保存」を選択します
⌘ + s
。
自動保存機能には盲信せずこまめに保存しましょう。
素材配置終了・エフェクト適用などの各段階が終わるごとに別名保存し、やり直しが効くようにするのもありです。
素材の取り込み(準備編)
スタジオの映像を取り込む場合
- 映像はBlackMagicでキャプチャした動画であるとします。
- 画面下のドック「Finder」→「書類」で取り込んだ動画が見つかるので、自分の講義フォルダに移します。
動画の名前を「 日付_内容+数字」と変更することを推奨します。
(例:20150728_goto_interview01)(数字は01などとつけておくと並べやすいです)
※.mov(拡張子)はそのままにしてください。
ハンディーカムから映像を取り込む場合
-
ハンディーカムをUSBで接続する(認識されるとデスクトップにボリュームアイコンが表示されます)。
ハンディーカム本体の画面を操作しUSB接続を有効にするのを忘れないでください。
-
ドライブをダブルクリックしてウィンドウを開きます。
-
取り込むクリップを探すためにファイル「AVCHD」をダブルクリックしてください。ハンディーカム内に入っているクリップのサムネイルの一覧が表示されます。
-
新しいウインドウでQuickTimePlayerが起動します。
-
「QuickTimePlayer」の「ファイル」→「保存」を選択します。
-
保存のためのウインドウが立ち上がります。「書き出し名」「保存場所(自分のフォルダ)」を指定して「保存」をクリックします。
保存されると「QuickTimeムービー形式(H264)」に変換されます。 -
QuickTimePlayerを終了します(ウインドウを閉じます)。終了後にビデオカメラのボリュームアイコン(ドライブアイコン)を取り出してください(ゴミ箱に入れてください)。
スマートフォンから映像を取り込む場合
iPhoneから取り込む場合
- MacにiPhoneをUSB接続します。
- Macでアプリケーション「イメージキャプチャ」を起動します。
- 取り込みたい動画ファイルを選択し、保存先を選び、「読み込む」をクリックします。
メモリースティックやHDD、USBメモリなどデータの場合
- メモリースティック、ポータブルHDD、USBメモリを接続します。
- 認識されるとデスクトップにボリュームアイコン(ドライブアイコン)が表示されます。
- 該当のファイルを自分のフォルダにコピーします。
スタジオ所有のBGMを使用するには
-
画面下のドックから「iTunes」をクリックして起動します。
-
イメージに合うBGMが決まったら、その項目を選択状態にしたあと右クリックし、「Finderに表示」を選択します。もしくはBGMをフォルダに向かってドラッグアンドドロップします。
-
BGMファイルをFinderで見つけたらそれを自分の作業フォルダにコピーします。
素材の取り込み(Premiere編)
- 自分のフォルダにコピーした素材をPremiereで読み込みましょう。
- 読み込むには素材を読み込ませたいPremiereプロジェクトを開いている必要があります。
-
プロジェクトパネルに向かって自分のフォルダ内の素材ファイルをドラッグアンドドロップすると一覧に追加されます。
-
作品作りではプロジェクトパネルに入った素材をシーケンスにのせていくことになります。
Premireで編集(基本)
主要なツール
ツールとは
タイムラインの左側にあるボックスがツールパネルです。ツールを切り替えることでシーケンスのクリップをトリミングしたり、切ったりすることができます。
矢印ツール
矢印のアイコンのボタンです。シーケンスの操作で最も基本的なツールです。クリップの移動・トリミング・選択など基本的な操作ができます。
レザーツール
カミソリのアイコンのボタンです。クリップをクリックした位置で切断することができます。不要な部分の両端で切断して詰めたり、マルチカムでカメラを切り替えるときに使います。
シーケンスとは
クリップの編集をするためにはシーケンスと呼ばれるものを作成して、そこでクリップの長さを調節したり繋げたりします。
ストーリー展開上の1つのまとまりであり、入れ物でもあります。
シーケンスで組んだものが書き出されて動画作品になります。
シーケンスの作成
-
メニューバー→「ファイル」→「新規」→「シーケンス」を選択します。
-
映像クリップにあったシーケンスの設定:「AVCHD」→「1080i」→「AVCHD 1080i アナモルフィック」を選択します。
※ ハンディーカムはデフォルトでHQモードになっています。
-
シーケンス名を入力して「OK」をクリックします。シーケンス名が書き出しでのデフォルトのファイル名になります
(書き出し時にファイル名を自分で決めることができますがシーケンス名を適切につけるのが吉です)。※1つのプロジェクト内に複数のシーケンスを作成し、シーケンス内に別のシーケンスを並べることも可能です。
素材をプレビューする
-
プロジェクトパネルで再生したいクリップをダブルクリックします。ソースモニターがアクティブになります。
-
再生するにはボタン「再生」をクリックします。「スペース」を押すことで再生・停止することができます。 再生速度を変えたい場合はクリップを再生しながら「L」を押します。 逆再生はクリップを再生しながら「J」を押します。 停止はクリップを再生しながら「K」を押します。
-
タイムヘッダーを開始時間にセットし、イン点(
{ボタン
)をクリックするとシーケンスにのせたときの開始時間になります。
終了時間でも同様です。
ソースモニタ-で予めシーケンス上で利用する部分だけをPremiereに教えることで作業がスムーズになります。
素材をシーケンスに配置する
-
プロジェクトパネルにある使いたいクリップをタイムラインパネルへドラッグ&ドロップします。
-
Ctrlキーを押しながらドラッグした場合には、移動先のクリップを上書きせずにクリップを割り込ませることが可能です。
- 同じ二つ以上のクリップを並べる時は上書きに注意しましょう。
カメラ複数台で撮影したときのTips
音声を同期させる
- 同期させたいクリップをすべて選択します。
- 右クリックし、「同期」を選択します。
- オーディオのラジオボタンが選択されていることを確認します。
-
トラックチャンネルで「ミックスダウン」を選択します。
5. OKを押すと解析が始まり、終了するとクリップが移動し、音声の同期が完了します。
6. うまくいかない時は何度も試します。
アングルの切り替え
同一のカットを複数のカメラで撮影した状況を想定しています。
- ビデオトラックで上にあるほど優先的に表示されます。例えばV3を時間aから時間bまで無効にして、V2の映像を出してみます。
- V3のクリップを時間a、時間bで切断します。切断はレーザーツールでできます。
- V3のクリップのaからbまでの部分を無効にします。この部分のクリップを選択後、右クリックし、「有効」をクリックし、チェックマークを外します。
-
対象のクリップが非表示扱いされ、直下にあるV2の映像があらわになります。
クリップの移動
- クリップを選択し、ドラッグするとそれにしたがって移動します。
- 複数選択し、ドラッグするとそれらがまとまって移動します。
クリップの長さを調節する(トリミング)
- プログラムモニターでシーケンスの映像を確認しながらクリップの長さを細かく調整することができます。
- クリップの端へカーソルを合わせると、カーソルの形が赤いコの字型に変わります。
-
そのまま目的の時点までドラッグすると長さの調整ができます。
-
再生ヘッド(再生位置の現在地点を示すもの)の位置にスナップするように設定されているので、上手く活用すると良いでしょう。
- 短くしたクリップは元の長さまで戻せます
(このように、前の操作があとの操作に悪い影響を与えないような編集を非破壊編集といいます)。
クリップの無効化・有効化(非表示・表示)
無効化
-
クリップを選択後、右クリックし、「有効」をクリックし、チェックマークを外します。
有効化
- 無効化の逆を行います。クリップを選択後、右クリックし、「有効」をクリックし、チェックマークを付けます。
シーケンス上のクリップの消去
- 消去したいクリップをクリックして、
deleteキー
で消去します。
クリップのコピー
- キーボード「option」を押しながらクリップをドラッグします。
⌘ + c(コピー)→ ⌘ + v(ペースト)
でも可
元に戻す/やり直し
- 「編集」メニュー→「元に戻す or やり直し」
または
- 元に戻す:キーボード
⌘ + z
- やり直し:キーボード
⌘ + Shift + z
タイムラインをズームイン・ズームアウトする
-
ツールパネルにある「ズームツール」。虫眼鏡アイコンのボタンです。
または
- Zoom in :キーボード
option
+ マウスホイール上方向 - Zoom out:キーボード
option
+ マウスホイール下方向
音量の調整
クリップの音量を変える
-
タイムラインパネルのクリップをクリックします
-
エフェクトコントロールパネルにある「ボリューム」を展開し、「ボリューム」の横の▶をクリックします。
-
ルーラーを左端までシークさせます。
- 時計マークのボタン(アニメーションのオン/オフ)を押してキーフレームを解除します。解除されるとボタンが凹んだ状態が解消します。
- 「レベル」の数値上で左右にドラッグして(または数値を入力して)値を調節します。
クリップの音量を動的に変える(フェードインなど)
[方法1] トランジション効果を利用する
簡単ですが小回りが利きません。フェードインができます。
- フェードインさせたいクリップを選択します。
- エフェクトパネルからオーディオトランジション‐クロスフェードの中から「コンスタントパワー」をダブルクリックまたは対象のクリップへドロップします。
-
デュレーション(長さ)を変更します。方法は2通りあります。
- クリップに付随して表示されている「コンスタントパワー」を右クリックし、「トランジションのデュレーションを設定」をクリックします。長さをお好みの長さに変更しOKをクリック。
- クリップに付随して表示されている「コンスタントパワー」をトグルして長さを長くします。ドラッグで位置を調整できます。
[方法2] キーフレームを利用する
難しいですが緻密に音量を変化させることができます。一時的に音を小さく・大きくすることができます。
- キーフレーム(変化が定義づけられているフレーム)を打つことでフェードインができます。詳細は「応用編」の「キーフレーム」を参照してください。
モーション(位置、大きさ)、不透明度
カスタマイズできる主な項目
- 位置
- 大きさ(スケール)
- 不透明度
設定方法
-
ここでは例として「スケール」を設定します。
-
対象のクリップを選択し、エフェクトコントロールを開きます。
-
「モーション」の左の▶をクリックし、スケールの項目に設定されている値を変更します。
-
他項目でも同様にして設定できます。
さあ応用編へ!
応用編に続きます。